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■ 擁壁(ようへき)の基礎知識
- #家づくりの基礎知識
2025.5.30.Fri
【家づくりの基礎知識】vol.4
土地購入時に見逃せない!「擁壁(ようへき)」の基礎知識
家づくりを考えるうえで、つい見落としがちだけれど、知っておくと後悔しない大切なキーワード。
それが今回のテーマ「擁壁(ようへき)」です。
「聞いたことはあるけど、正直よくわからない…」という方も多いかもしれません。
でもこの擁壁、実は土地選びや家づくりに深く関わってくる存在なんです。
■ 擁壁とは? 崩れを防ぐ“土留め”の壁
擁壁とは、簡単に言うと「崖や斜面の土砂が崩れるのを防ぐための壁状の構造物」のこと。
たとえば道路より敷地が高い土地や、隣の土地と高低差がある場合など、地面がそのままだと崩れてしまうおそれがあります。
そんなときに必要になるのが「擁壁」です。
もっと専門的に言えば、地面の“安息角”──それ以上の角度だと自然に崩れてしまうという限界の角度──を超える高低差がある場合に、擁壁によって地面を安定させる必要があります。
つまり、擁壁は安全な住まいづくりを支える「縁の下の力持ち」なんですね。
■ 擁壁にまつわるトラブルも…
擁壁がある物件を検討する際には、少し注意が必要です。
・古くなって劣化している
・ひび割れや亀裂がある
・補修しても抜本的な解決にならない
・工事費が数百万円〜数千万円かかるケースも…
実際に「購入後に擁壁のやり直しが必要になった」となると、大きな出費が発生することもあります。
購入を検討している土地や建物に擁壁がある場合は、必ずその状態を専門家に確認してもらいましょう。
■ 隣人との関係にも影響あり
擁壁は「どちらの敷地側に設置されているか」によって、費用負担や責任の所在が変わります。
一般的には、
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高い方の土地所有者が、自分の敷地内に擁壁をつくり、費用を負担するケースが多い。
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低い方が地盤を削った場合などは、低い方の所有者が擁壁を設置し、費用を負担することも。
また、境界線上に設置されていたり、基礎が越境していたりすると、どちらが修繕するのかなどでトラブルになることもあります。
所有者が変わった後は、過去の取り決めが曖昧になっていることも多く、話し合いに時間がかかる場合もあります。
■ 擁壁の主な種類と特徴
擁壁にはいくつかの種類があります。代表的なものを紹介します。
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現場打ちコンクリート擁壁
最も一般的で強度も高い。裏込めや水抜きパイプなど、しっかりとした施工が必要です。 -
型枠コンクリートブロック擁壁
型枠状のブロックに鉄筋を配して充填。表面にデザイン性を持たせたものもあり、見た目も整います。 -
L型コンクリートブロック擁壁
コストパフォーマンスに優れ、比較的施工が簡単。最近人気の構造材です。 -
石垣・間知石積み擁壁
昔ながらの天然石や、石材風に仕上げたコンクリート製。景観を重視する場合におすすめです。
擁壁の種類によって、外観の印象や工事費用も大きく変わります。目的や予算に応じた選択が必要です。
■ 擁壁を見れば、その土地の“履歴”がわかることも
まちを歩くとき、少し視線を下げて擁壁を見てみてください。
古い石垣や新しいL型ブロック、美しくデザインされた化粧ブロックなど、それぞれの土地がどんな経緯で整備されたのか、なんとなく読み取れるかもしれません。
また、擁壁はあくまで「土台」なので、建物と同じくらい慎重に選び、確認すべきポイントです。
■ まとめ
擁壁は、目立たないけれど、家づくりの安全と安心を守る重要な存在。
とくに高低差のある土地や、中古住宅を検討している方には要チェックのポイントです。
購入を検討する段階で気になる擁壁があれば、ぜひ専門家にご相談ください。
私たちも、お客様の安心な住まい選びをしっかりサポートいたします!
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